業界動向

ニデック、AIサーバー向けに冷却能力10倍の水冷装置「イン・ロー」を量産開始

2025年5月より、ニデック株式会社は、人工知能(AI)データセンターなどでの利用を想定した高性能水冷装置「イン・ロー」の量産を開始する。本製品は、従来比で約10倍の冷却能力を有し、複数のGPUサーバーラックをまとめて効率的に冷却することが可能。

最大2メガワットの冷却能力で、12ラックを一括冷却

「イン・ロー」は、高さ約2メートル、横幅約1メートルの大型装置で、データセンターの壁面などに設置可能な設計となっている。最大冷却能力は2メガワットに達し、米NVIDIA製の先端GPU「GB200」を搭載したラック12台をまとめて冷却できる性能を備えている(※水温や環境条件により変動)。

AIの高度化に伴い、画像処理半導体(GPU)の発熱量は増加傾向にある。「イン・ロー」は液体冷却による効率的な熱管理を可能とし、電力消費の削減、床面積あたりのサーバー密度向上、運用管理の負担軽減といった多方面でのメリットが期待される。

タイ・ロジャーナ工場で月産50台体制へ

量産は、当社の主要生産拠点であるタイ・アユタヤ県のロジャーナ工場にて行う。既存のHDD用モーターの生産スペースと人員を活用し、効率的な立ち上げを実現しています。まずは月産50台を目指し、国内外のデータセンター運営事業者などへの供給を進めていく。

ニデックの水冷技術、世界市場でのリーダーシップ

ニデックはこれまでに小型水冷装置を5,000台以上出荷しており、世界シェア首位の実績を誇る。「イン・ロー」の登場により、大規模なAIインフラのニーズにも応える次世代の冷却ソリューションとして、さらに幅広い分野への貢献を目指していく。

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